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ジャスティンは、キョロキョロと店内を見回している。
木の実の隣に座ると、今、画面に映し出されている物件の間取り図を顔をしかめて見入っていた。
「あ、じゃ、今から行きますか…?
一軒目と二軒目は場所は近いですので、あ、でも、ここからは少し離れてますので、車で行きましょう」
ジャスティンは、隣に座る木の実の顔を覗きこんだ。
木の実は後ろめたそうな顔をして、気付かないふりをしている。
鈴木という男がその物件の情報をプリントアウトして二件分を木の実に渡すと、木の実はジャスティンに取られないようにすぐにバッグにしまった。
3人は小さな軽自動車に乗って、その物件先に向かった。
ジャスティンは体が大きいため助手席に乗り込むと、鈴木の体が硬直しているのが分かる。
「あ、あの、結婚されてるんですか…?」
鈴木がこの場しのぎで発した質問が、この狭い車の中を凍りつかせた。
「と、とんでもない…
ただの友達です、いや、友達っていうのもおこがましいかも…
あ、あの、ボランティアで、きっと、私のお世話を買って出てくれたんです…」
「ボランティア…??」
「あ、はい… きっと、多分」
ジャスティンは隣と後ろで交わされている会話に笑ってしまいそうだった。
鈴木という男の頭の上に、はてなマークがたくさん浮かんでいるのが見える。
でも、確かに、一体俺は何ものなんだ…??
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