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「分かったよ。
もう、俺からこの話はしない。
でも、いつか、ナッツの方から話してくれるのを待つのはいいだろ?
それと、困った事があったら遠慮しないで俺を頼る事。
今日、人に聞いて分かったみたいに、俺はお金はたんまりある。
だから、お金の面でも、いつでも俺に相談してほしい。
分かった?」
木の実はいつもの調子で笑顔で肩をすくめるだけで、頷く事はしない。
でも、それはそれで、何でも調子よくたかってくる女達よりは、はるかに印象はいい。
ジャスティンは、その事もそれ以上はもう何も言わなかった。
「よし、じゃ、今からデザートもくるから、急いで食べよう」
ジャスティンはそう言いながら何も気づかないふりをしているが、木の実はしっかりと気づいていた。
さっきから、テーブルの上に置いているジャスティンのスマホがブルブル震えている。
切れたかと思ったらまたといった具合に、何度も何度も。
「ジャスティン、出ていいですよ」
木の実は我慢できずに、ジャスティンにそう言った。
でも、ジャスティンは首を横に振って震えるスマホを無視している。
「ジャスティン、今日って金曜日だし、お友達とかと約束があったんじゃない?
私、この後はどこかで時間を潰しときますから、ジャスティンは行ってきていいですよ」
ジャスティンは伏せて置いていたスマホをチラッと見た。
「いいんだ。
だって、ナッツと一緒に入れる時間って少ないのに、俺はその時間を優先したい。
それじゃ、ダメ…?」
木の実は、ジャスティンが目の前にいようが関係なく右の頬を思いっきりつねった。
イケメンエリート軍団のジャスティンが私を優先してくれるなんて、夢だったら今すぐ覚めてほしい。
イタッ……
あ~、どうしよう…
このままじゃ、私、本当にジャスティンを好きになってしまいそう…
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