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「ジャスティン、じゃ、行くね…
本当に、本当に、色々ありがとう。
美味しいものをたくさん食べさせてくれたり、職場まで送ってくれたり…
でも、それよりも…
あの夜に、私の事を見つけてくれて本当にありがとう」
「何だよ…
もう、俺達、会えないの…?」
木の実は切なそうに肩をすくめて笑った。
「会えるよ…
絶対、会いに来るから」
木の実はそう言うと律儀に一礼をして、玄関から出て行った。
「ナッツ!」
車で送るって言おうと思っていたのに、頭の中が空っぽになったみたいで何も言葉が出てこない。
ジャスティンが外へ出ると、もうエレベーターは下へ降りていた。
俺の世界から色が消えた…
木の実のブルーのワンピースの色しか、もう認識できない。
あとは全て、灰色に変わった……
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