He is 完全無欠??

4/15
2339人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
「いいよ…… 俺は、友達として心配してる… それで、いいだろ…?」 ジャスティンは黙っている。 シュウは、電話越しに小さくため息をついた。 「シュウ、ごめんな… 今は、何も考えられないんだ… でもさ…… そう考えると、凪は凄い奴だと思うよ。 あんなに舞衣に惚れてさ、あんな短期間で自分の物にしたんだから。 ほんと凄いわ… あいつ…」 ジャスティンはそう言うと、電話を切った。 この谷底のような日々は死ぬまで続くのかもしれない。 木の実が戻ってこなければ、きっとそういうことだろう… ジャスティンはいつの間にか眠っていた。 眠っている夢の中でも、木の実の姿を求めている。 青いワンピースを着た後ろ姿の木の実をずっと目で追う自分は、決して、木の実を捕まえたりはしない。 木の実が自分の意思でこちらを振り返る事を、ただひたすら待っている。 ジャスティンは、携帯の音で目を覚ました。 また、誰かからの着信だ。 本当に面倒くさい… しばらく無視していたが、何度も何度もかかってくる。 ジャスティンが携帯を覗くと、非通知番号の表示が出ていた。 ナッツか…?? 「もしもし、今、どこにいる??」 ジャスティンは木の実からの電話だと信じ切っている。 「バ~~カ、ニューヨークだよ」 ジャスティンは、まだ夢の続きだと思った。 こんな突拍子もない現実があるはずない。 でも? ニューヨーク?? 「は? 凪か??」
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!