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百年待てば再び逢えるといった言葉を信じて、待ち続ける。
やがて、女は百合の花となって生まれ変わり、二人は再会する。
素直に解釈すれば、そういう話だ。
でも、それだけでは終わらない深みがある。
「……そうね」
先輩はおとがいに手を当てて考えこむ。
嫌な予感がする。
「じゃあ、試してみましょう」
「……また、ですか?」
思わず呆れた声が漏れる。
先輩はにっこりと微笑んで、
「もちろん。だって私たちは『実践的文学部』だもの」
・ ・ ・
リノリウムの床の上を軽く掃除してから、制服の上着やらジャージやらを広げて敷きつめる。
「それじゃあ、どうぞ」
「ありがとう。紳士ね」
「あたりまえですよ」
女性をそのまま床の上に転がすなんてできるわけがない。
「仰向けでいいのよね?」
先輩が即席の敷物の上に体を横たえる。
そこで失態に気づく。
「あー、すみません、ひざ掛けを忘れていたんで、一度、体を起こしてもらえると」
いつもは膝丈のスカートが広がって裾がやや上がり、形のよい膝頭がむき出しになっている。すらりとした太ももまで見えてしまいそうだ。
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