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色白でほっそりとしたきよみずの姿はいかにも儚い。その印象に違わず、きよみずは体が弱くて、いくばくかの心労で熱を出して倒れてしまうこともある。
ゆめさきは後ろ髪を引かれた。
「ごめんね、きよみず。でも、わたしのわがままに協力してくれてありがとう。これが最初で最後。できるだけ早く帰ってくる。どんなに遅くても、二ヶ月後の結婚式までには必ず。だから、元気で待っていて」
ゆめさきが手を振ると、きよみずも顔のそばに手を持ち上げ、少しだけ振り返した。きよみずの背後に立つヴェールをかぶった女も、きよみずの真似をするように手を動かした。
「核の素材がいいだけあって、人形の出来栄えは完璧ね。わたしが帰ってくるまで、留守を頼んだわよ」
女は、刺繍とフリルでいっぱいの夜着を身にまとっている。本来ゆめさきが着るべきものだ。
一方のゆめさきは、いちばん下級の兵卒に支給される制服に暗色のマントという出で立ちである。豪奢な金髪も一つに結び、フードの内側にしまい込んでいる。
ゆめさきは、額に押し上げていた飛行眼鏡を目の位置に下ろし、フードの紐を結び直した。本気を出せば、馬が駆けるよりも速く飛ぶことができる。そんなときの風圧はバカにできなくて、親友が作ってくれた飛行眼鏡が手放せない。
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