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私の代わりに他の誰かの事、頭ナデナデとかしてるのかな。
匂いクンクンとかもしてるのかな。
そう思うだけで泣きそうになる。
結局、彼にしてみれば相手は私でなくても、誰でも良かったって事だ。
目の裏がじわっと熱くなる。
よそう。
今はダメ。
考えたら本当に、泣く。
とにかく今は仕事に集中、と自分に言い聞かす。
「山口さん。今日仕事終わったら、飯食いに行かない?ご馳走するから」
「え……」
振り返ると佐原さん、ではなく先日佐原さんにセクハラ疑惑を訴えた田中さんだった。
私は入社からずっと佐原さん一筋だったけれど、田中さんは女子社員から人気がある中々のイケメンさんだ。
「あの、でも……」
チラリと無意識に佐原さんに助けを求める。
それなのにこちらに背を向けたまま気付きもしない。
所詮はその程度か。
切なくなる。
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