強張る

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「じゃあさ、頭ナデナデはセクハラ?ほら、いつもしてるみたいな」 一歩前に出て手を伸ばす。 私の頭に長い指をふわりと乗せてそっと撫でる。 いつもは笑いながら冗談交じりに撫でるのに、そんな表情されたら、困る。 「……いえ」 としか、答えられないじゃない。 「だよなぁ。じゃあ、こうやってほっぺたつまむのは?」 髪を撫でた指の背が、そのままなぞるように降りてきて頬に触れる。 すっと一撫でされてから、ゆっくりと優しくつままれた。 痛くはないけど……。 だから、せめていつもみたいに冗談交じりにやってよ。 そんなに見詰められたら、流石にこれは……。 「……ひえ」 「何だよ、ひえって」 ククッと笑って目尻に皺が寄る。 いえ、とうまく言えないのが恥ずかしくて視線を逸らす。 「いつまでつまんでるんですか。いい加減離してください」 つまむその手を軽く払い、彼の顔を照れながら睨んでやる。 「いいじゃん、別に減るもんじゃないんだし」 イタズラっ子のように笑い、漸くいつもの彼に戻ってきた。
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