強張る

7/15

46人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
こんな事、他の誰にでもしてるのだろうか。 想像するだけで心臓がえぐられる。 きっと現場を見たら嫉妬で発火してしまいそう。 泣きそうになって顔が歪むのを俯いて隠した。 「あ、あの。でも、他の子は嫌がる子もいるから、しない方が」 「他の子?山口以外の、って事?お前、俺の事何だと思ってんの?他の子にこんな事するかよ。それこそセクハラだろ?」 呆れた目で私を見下ろす彼。 ?? 他の子にはセクハラ? じゃあ私のは、何? 「え?……じゃあ、私のもセクハラなんじゃ……。何で私にはするんですか?」 もしかして、私の事好き、とか? 淡い期待に心臓が一つ大きく跳ねる。 「何で?何でって……何でだろうな?うーん……したいから?」 「どっどうして、したいんですか?」 彼の口から『好きだから』の言葉を引き出したくて言葉尻に食い付く。 「どうして?どうしてって……んー、なんとなく?」 なんとなくって、そんなぁ。 小さくため息が漏れる。 脱力する私に彼が続ける。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加