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こんな事、他の誰にでもしてるのだろうか。
想像するだけで心臓がえぐられる。
きっと現場を見たら嫉妬で発火してしまいそう。
泣きそうになって顔が歪むのを俯いて隠した。
「あ、あの。でも、他の子は嫌がる子もいるから、しない方が」
「他の子?山口以外の、って事?お前、俺の事何だと思ってんの?他の子にこんな事するかよ。それこそセクハラだろ?」
呆れた目で私を見下ろす彼。
??
他の子にはセクハラ?
じゃあ私のは、何?
「え?……じゃあ、私のもセクハラなんじゃ……。何で私にはするんですか?」
もしかして、私の事好き、とか?
淡い期待に心臓が一つ大きく跳ねる。
「何で?何でって……何でだろうな?うーん……したいから?」
「どっどうして、したいんですか?」
彼の口から『好きだから』の言葉を引き出したくて言葉尻に食い付く。
「どうして?どうしてって……んー、なんとなく?」
なんとなくって、そんなぁ。
小さくため息が漏れる。
脱力する私に彼が続ける。
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