理想郷にはまだ遠い

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そんなテレビの報道から、クロウ直々に非人物が大量に殺処分(虐殺)されていることを知る。 それは転生された我々と平行して行われている計画だった。 人間さえいれば、もう非人物は必要ないのだとクロウの勝手な解釈で非人物は数を減らしていく。これもクロウが理想とする理想郷に近づくためである。 このとき茜は「バカ」は死んでいく愛想無い運命に複雑な気持ちになる。微かだが、確かに普段見かけると非常に鬱陶しいし動きも喧しい。そんな思いで非人物の存在の有無を問うことはあった。 しかし、ここまでの発展を遂げたのは想像もつかなかった。 まさか、大胆にも全て殺処分するなんて、クロウの冷酷さを思い知る。 非人物「や、やめてくれぇー」 クロウ「…」 クロウは黙々と街を徘徊して非人物を駆除していく。しかも手に物騒な近未来風のライフル銃を持って。 非人物「ああ、きっと天国に行けるよ…」 非人物の中でかなり広まっている噂。「天国」と呼ばれる場所は、正確には「隔離施設」のことである。 クロウによる分配でたまに、生態を保存するために外から完全に隔離された人工自然「隔離施設」の中に移動させるのだ。 しかし、人工自然の中も定員があるし、中は安全なので勝手に死ぬ事もないので定員を補充することは滅多にない、つまり一方的に街中で殺処分されていくのだ。 そしてクロウの作業も終盤になり、すっかり街中は静まり返ってまう。 この様子に転生した4人は前と比べてもの淋しさを覚える。 確かに、非人物はバカだった、だけど、我々を賑やかにしてくれた。
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