無念と焦燥

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無念と焦燥

何時もの子供部屋で退屈しているクロウ。 クロウ「なんやかんやで落ち着きますな、ここは…oO○」 茶豆「昨日は究極の隠居スペース作るとか言ってあんなに意気込んでいたのに」 彼女は茶豆、テイと同じ半獣半人。テイと比べると召使いに近い立ち位置で、身の回りの管理はこの子に任せている。 クロウ「あ~、あの耐爆地下ドックに併設しようとしたやつか…」 クロウ「(たまにはかわいい部下のために何か作ってあげるか)」 テイ「ご主人様、何処へ行くの?」 クロウ「ちょっと危ないとこ」 テイ「?」 テイが興味深そうに見つめる中、クロウは部屋から出て行く。 茶豆「また何かの開発だと思う」 テイ「うん…」 クロウはいままで、無機質な石が反り立つビルを建てたり、空港、港など質朴で飾り気のないものばかりを作ってきた。 そこでクロウは茶豆やテイを喜ばす何か賑わいのある建物を建てようと考えた。 そして、なんやかんやで出来上がったのは一軒家。そして当初の目的とは裏腹に特に見栄えもしない。 この一軒家にはテイが普段暮らす図書館に存在しない生活必需品が揃っている。赤紫の図書館には殆どの設備があるはあるのだが、図書館なのでそれぞれの目的地まで距離がある上にバスルームも存在しない、この一軒家はその欠点を補ったものと言ってもいいだろう。 そして、この一軒家がある場所は… テイ「新しい自宅を紹介?」 クロウ「そう、新しい住まいを紹介する」 茶豆「そう言って何度も自宅を変えては、とんぼ返りしてきたけど…」 クロウ「うっ…。まぁ、採用しなくてもちょくちょく来るだろう(笑)」 そして特殊なゲートを作り出す装置に入り、その一軒家へとテレポートする。 クロウ「テレポートで来るのでセキュリティ面では大丈夫」 ゲートのある部屋を抜けると、そこはリビング テイ「おー、外は何もない草原だ」 クロウ「リビング正面は硝子張り、ただし耐爆ではない」 茶豆「さも当たり前かのように耐爆硝子使う方が多いけど」 因みにここは大分低い位置に作った人口草原で、周りには掘り抜いた跡なので高々と谷が聳える、元々、多分何かしらの理由で掘り抜いた場所で、ここは、そこを利用して作られた一軒家なのだ。 クロウ「ここは謂わば、何かしらの理由でくり抜いた谷なんだよ」 テイ「何かしらの理由って…。覚えてないのかよ」 茶豆「何かしらの理由で環境を破壊する自然キラー」 そして一端、部屋の紹介をしているとあっという間に日が暮れる。 クロウ「もうこんな時間か、(…って何かと寛いでるな)」 クロウ「今日はここに泊まっていこうか」 テイ「うん」 テレビを前にして同じソファに2人並ぶ茶豆とテイ。 クロウ「食事の用意できたよ」 そう言い放つと2人はクロウのいる部屋へと向かう。 クロウ「ごめん、テーブルや椅子は用意できなかったんだ…」 茶豆「転送パイプ用意して無限に食料供給できるようにしておいてそれ忘れるのか…」 クロウ「大丈夫、何かしらの物で代用できるから」 そう言って取り出したのは空き箱 テイ「ただの空き箱…」 クロウ「こんなだだっ広い部屋に食台置いてもなぁ…っ思ったから。この台は仮に置いておくだけで多分後で撤去するよ」 クロウ「一応、ベッドルームを用意したから、今夜はここで寝てね」 テイ「こんなに横に並んたベッドで寝るのは初めてかも」 茶豆「一応、ベッド同士で隔てられてるけど何か狭そう」 テイ「壁にぎゅ~って押し潰されそうだよね」 クロウは淡い色の照明を落として部屋を出る。
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