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4番目の遺跡を探せ!
キラリ、四角い窓から砂漠の朝日が差し込んできた。
砂漠といっても朝は少し冷え込み、わずかな湿気を含んだ風が吹いてくる。
「そうかっ!わかったぞ!」フリードはだしぬけに叫んだ。
彼の赤茶色の髪は炎のように逆立った。
「解ける!解けるぞ!このパズルは!」彼は幾何学図形が描かれた地図と、いくつもある切り取った三角形の紙をわしづかみにすると、古い木製の階段を駆け登った。
2階の真ん中の部屋が教授の部屋だ。フリードはこの大発見を1秒でも早く伝えようと、あたふたと走った。
突然、2階の端の部屋のドアが開いた。
「解ける!この方法で解けるんだ!やったー!」
その部屋からフリードと同じ位の年の丸メガネをかけた青年が、自身の分厚いノートを片手に飛び出してきた。
「なっ!マルセル!」フリードは驚いて教授の部屋の前で急ブレーキをかけたが、マルセルと呼ばれた青年もびっくりし、あわてて立ち止まった。
「マルセル!おまえも三角形の頂点の秘密を発見したのか?!」フリードはかなり悔しそうに叫んだ。
「はぁ?!三角形の頂点?」マルセルは目を丸くしながら、丸メガネを片手で直しつつ、「謎を解くカギは三角形の辺の長さだぞ?」と返した。
「辺の長さだって?!何を言うか!よーし!分かった!教授に見てもらおうじゃないか!」フリードは挑戦するようにマルセルをにらんだ。
「挑むところだ!」マルセルもそう応じると、二人で教授の部屋のドアを勢いよく叩いた。
「教授!ラファエル教授!起きてください!」
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