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「ちょっと、、、待ってくれ、、、」部屋の中から足を引き摺るような変な音とともに、鍵が解かれドアが開いた。
「う、教授!」フリードとマルセルは部屋に一歩入ったところでフリーズした。
教授は二人に叩き起こされて、ベッドから降りてズボンを履き損ねて、ズボンを半分引き摺ったままドアを開けたのであった。
フリードとマルセルはばつが悪い様子で、ラファエル教授がズボンとシャツを身につけるのを待った。
「えー、フリード君、マルセル君、お待たせした。話を聞こうじゃないか」教授は丸テーブルに二人を招きつつ、先に椅子に腰を下ろした。
「じゃあ、僕が」フリードとマルセルは、思わずハモってしまったが、教授が左手で無言のままフリードを促した。
「それじゃ、まず、僕の大発見を聞いてください!」フリードは鼻息も荒く話し出した。
「例の4つの三角形ですが、それぞれ辺の長さも頂点の角度もバラバラです」説明を続けると話し方は冷静になってきた。
「そして、例の1つの台形ですが、これまた辺の長さも角度もバラバラです」
「そう、でも、それぞれの三角形の1つの辺だけは、台形の各辺とピタリと一致する」マルセルが口を挟んだので、フリードはマルセルを睨みつつ続けた。
「このままでは、4つの頂点を持つスター型の図形であり、今まで発見された三ヵ所の遺跡の位置と全く一致しない、、、しかし!」フリードはやや声を大きくして続けた。
「パピルスに印された封印の3つの言葉の内の1つに次のものがあります。〈片側だけを見てはいけない〉ですが、これで思いつきました。見てください!」
フリードは手の中のくしゃくしゃになった紙の図形を丸テーブルの上に広げた。
「このように台形の向かい合った辺にくっ付けた三角形を、それぞれ表と裏の逆向きに折れば、、、」フリードは、用意した地図の上にその紙の図形を置いた。
「ほら、見事に変形スター形の頂点のうち3つが、今まで発見された遺跡の場所と一致します!」
「、、、ということは、この4つ目の頂点が指し示す場所が?」ラファエル教授が言葉を継いだ。
「そうです!そこが探し求めている最後の遺跡の場所です!」
フリードは勝ち誇ったような顔で一息ついた。
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