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「入社式の時に初めてあの子見た時にビビっと来ちゃったんだよなぁ。ああークソ可愛いわー、白田ちゃーん」
「山口、お前……普通に気持ち悪いぞ……」
でも、まぁ確かに。
当時のシロは、大勢いる新入社員の中でも余裕で上位に食い込むであろうポテンシャルを秘めていた。
薄化粧なのがいい方に作用して、土台の良さがさらに強調されている。
小動物のようなまんまるい目、しゅっと整った鼻筋に、桜色の唇。
背は小さ過ぎず、大き過ぎず。
山口に乗っかるみたいで嫌だったけれど、普通に可愛い女の子だと思った。
「あの子……白田じゃなくて、臼田らしいよ?琴美が言ってた」
テーブルに頬杖をつきながら、古賀は言った。
「……え?琴美って誰……?」
俺が聞き返すと、古賀は向こうの方を顎の先でくいっと示した。
「今、彼女と話してる子。杉本琴美。同じ中学だったんだよ」
「……へぇ」
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