【2】真っ白な恋心

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 その時、ふと、染々と話す古賀の視線の先がどこにあるのか気になった。  彼女と表したシロを見ていたのか、中学の同級生だという杉本を見ていたのか……。  それとも、窓の外に見える桜並木に意識をそらしていただけか……。  俺は未だに、わからないままだ。 「さっきの交流の時間もチャンスだと思ったんだけどよ……。恥ずかしながら、勇気が出ませんでした……」 「そりゃあ、最初からグイグイ行ったら嫌われっ……あ、いいこと思い付いた」  俺は背中を丸めて落ち込む山口の肩を叩き、任せろ、と言って席を立った。  迷うことなく向かった場所は勿論、シロのいる席。 「……臼田さん。ちょっと、いい?」 「……ん?」  振り向いたシロの無意識の上目遣いは、なんとも卑怯な先制攻撃として俺のど真ん中にヒットした。  長い睫毛をパチパチと瞬かせながら、小首を傾げた彼女の顔は、間近で見るとめちゃくちゃ小さくて……。  それが余計に『異性』を意識させた。  
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