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「……そう。教官がいっつも私をシロタって間違えることと、下の名前の紫帆が混ざった……」
彼女が教官から名前を呼ばれると、会場のどこからともなくクスクスと笑い声が聞こえていたのも、それが原因だったとこの時知った。
耳や頬を真っ赤にして、照れ笑いする彼女がもっと見たいと思った。
「それいいよね。臼田さんっぽくて。俺も、シロって呼んでいい?」
「いや」
「杉本さんはいいのに?」
「琴美は……仲良いから」
「そんなのずるいよ。俺とだってこれから仲良くしてくれたらいいじゃん。俺にも……なんか、あだ名つけてくれていいよ?」
「……バカミヤ」
「ぷはっ……。悪いけど、それはもう既存だよ」
「ええ、嘘でしょ……?」
この後、シロが見せた弾けるような眩しい笑顔に俺は完全にノックアウトされた。
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