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ある日、蓮はいつものように終わらせた宿題をもって勇斗の家に遊びに行った。
しかし、もう勇斗の宿題は終わっていた。
理由は、成績が下から両手で数えられる程に低く、両親にゲーム機を取り上げられてしまったからだという。
「俺もやれば出来るもんだな」
そう言い切る勇斗に対し不安を感じ、蓮は一応自分の用紙と答え合わせしてみる。
すると、勇斗の答えは半分以上が間違っていた。
蓮は仕方なく問題の解き方を教えるが、返ってくるのは愚痴ばかり。
「こんなの出来なくても困らねーし」
「でもさすがにヤバイだろ、中三になったら受験とかあるし」
「急に『次の問題を解きなさい』なんて命令してくる奴の方がヤバイだろ! 中学でこれだから、たぶん高校に入ったら『次の問題解かんかいボケ、ぶっ殺すぞ』っていう文になってんじゃね?」
冗談交じりのその言葉を聞いて、蓮は少し思い当たる節があった。
中学校に入学して最初の授業……問題文に理不尽に怒られてるような感覚。
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