一粒の涙

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部屋の温度が25度程度まで下がると、看護師が声をかけてくれた。 「入室していただいて構いませんよ!」 僕は看護師に案内されて華月のいる部屋に入った。 「私は隣の部屋におりますので、何かあったら声をかけてください。」 こう言うと看護師は部屋を出て行った。 僕は華月の顔をじっと見つめていた。 (こんなことになるんだったら、やはり華月を月旅行に連れていくんじゃなかった!) 僕は華月が僕と一緒に月旅行に行くと言い出した時、止めなかったことをとても後悔した。 深い眠りについているであろう華月の顔を見ながら、僕は何もしてあげられない自分が情けなくなった。 僕は途方に暮れていた。 僕は華月のことを心から愛していて、華月と結婚したいと思っている。 僕にとって華月は、とても大切な人でなくてはならない存在だ。 この時の僕は、なぜか華月と出会った頃からの思い出がよみがえってきていた。 華月は元気で活発な女性だが、僕に対してよく気を使ってくれていつも優しくしてくれる。 華月は僕が病気で寝込んでしまうと、僕の部屋に来て看病してくれたりした。 そんな華月を僕は絶対に失いたくないと思っていた。
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