一粒の涙

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何を思ったか、僕は華月の氷に抱きついた。 すると僕の目から涙が溢れだした。 「華月、お願いだから戻ってきて!  僕と結婚してください。」 僕が華月にこう話しかけると僕の涙が一粒、華月の氷にぽたりとこぼれ落ちた。 すると、溶けなかった氷が急に溶け始めた。 いや、氷が溶けるというより氷が蒸発してなくなっていくような感じだった。 やがて氷はなくなったが、華月は深い眠りについたままの仮死状態が続いていた。 僕は華月の唇にキスをして、華月の体に抱き着いた。 少しすると僕の耳元で声が聞こえた。 「勇星、地球に戻ったの?」 僕があわてて顔を上げると華月が何事が起ったのかときょとんとした表情をしていた。 僕は華月が目を覚ましたことは奇跡だと思って驚いただけでなく、とても嬉しくて華月に返事をした。 「そうだよ、無事に地球に戻ったんだよ!」 「そっか、よかったね!」 華月が笑顔で返事をしてくれた。
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