54人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「来なさい、マイキー」
ハワードはマットレスに横になり、ミラーを呼んだ。
ミラーは笑顔になってハワードへ近づくが、鎖が足りず、首をのけぞらせた。ハワードは彼に近寄りその隙間を埋めた。ミラーを両腕に閉じこめ、頭のてっぺんに口づけた。
――お前は何をやっているんだ、ハワード。この男はお前の妻子の命を奪った殺人鬼だぞ。
自らを戒める声が響いたが、ハワードはミラーをなでる手を止めることができなかった。ハワードの右手はミラーの背を伝い、彼のすぼまりにたどり着く。
年老いたミラーは筋肉が落ち骨と皮が目立ち抱き心地は最悪だったが、紳士的な風貌の奥に秘められた感度は抜群だった。ハワードのものを受け入れるそこは赤く腫れあがっていた。
ミラーの年齢を考慮して、今日は指を挿入するだけにとどめた。ハワードはミラーの肩を抱きながら、右手の中指でアナルをうがつと、彼は快感を逃すようにハワードのシャツをつかんだ。彼の下肢を見ると、弱々しいものの確かに反応していた。
「パパ……っ」
ハワードはミラーの顔を見ないように強く抱きこみ、彼の精液が自分を汚すまで責め立てた。ミラーが射精してもハワードは彼を離すことができなかった。
ミラーの何がハワードを本気にさせるのか、ハワード自身にもわからない。
「苦しいよ」
胸に抱いたミラーがハワードをたしなめた。いつの間にか強い力で押さえつけていたらしい。「すまない」とだけわびて、ハワードは力をゆるめた。
「……パパはぼくを殺すの?」
ハワードのシャツをつかんだまま、ミラーは唐突に核心にせまる質問を浴びせた。その手は震えていた。今のミラーにとってハワードは安心できる存在であると同時に、反応次第では彼に危害を加える人間でもあった。ハワードは優しい声で言った。「殺さないよ」
「ぼくはいい子?」
「いい子だよ。とっても、いい子だ」
ハワードはミラーのまぶたに唇を落とし、彼の身体を清め始めた。ミラーはこの行為が終わることをひどく嫌った。
「やだ、パパ。やめないで」
「いい子はもう寝る時間だ」
ハワードはミラーの耳元でささやく。「おやすみ、マイケル」
最初のコメントを投稿しよう!