401人が本棚に入れています
本棚に追加
「……おかえり、悠一」
声に出せばほんの一瞬だった。
私はこの言葉を、笑顔を崩すことなく言い切った。
これを聞いた悠一はどんな顔をするのだろう、とちらりと思いながら。
「はああああ……よかったー……」
そう言って悠一はテーブルに突っ伏した。
またしても目の前に現れた悠一のつむじに、私は冷たい視線を突き刺す。
「由佳にまでフラれたら俺どうしようかと思った……」
そう言って悠一が顔を上げる。
私は無言で、困ったような笑顔を作った。
最初のコメントを投稿しよう!