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「……香織さんのことは残念だったけど、またこれからよろしくね」
そう言って微笑む。
悠一は一瞬驚いたような顔をしたけれど、すぐにごまかすように笑った。
「いやほんと、やっぱ俺には由佳しかいないわ」
変にニヤニヤしているせいでゆがんだ悠一の顔を、私は見つめる。
お前が今言うべき台詞はそれじゃないだろ、と内心毒づきながら。
しかしどうやら続きはないようなので、私はそっと立ち上がった。
「え、もう行くの?」
悠一が驚いたように声を上げたが、私は手を止めずに返事をする。
「このあと妹の誕生日ケーキ受け取りに行かないといけないから。ごめんね! また連絡して!」
それだけ言うと、私は自分の分のトレーだけ持って返却口に寄り、そのまま店を後にした。
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