まだ、今じゃない

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(もう、バカなんじゃないの?) 私は駅へ向かう道を足早に過ぎながら思う。 私に隠れて告白して、オーケーされるなりフラれるなりしてくれた方がまだよかったと思う。 その結果次第で別れるなり付き合い続けるなりの決断をしてくれたら、こっちとしてはそれで十分だ。 でもきっと、悠一の中では私に本当のことを伝えたことに価値があるのだろう。 それはまるで、墓まで抱えていくべき過去の罪を懺悔するみたいだと思う。 罪を告白した人間は、自責の念が薄れてすっきりする一方、告白された人間は、今更責め立てることも償わせることもできず、モヤモヤが募る。 つまり告白した側の身勝手な、自己満足。
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