蔑み

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「達也、となりいいか?」 「ん。ああいいよ。どうぞ。」 「わりーな。毎回。」 食事は、2人きりがいい。 だって、誰からも傷つけられないから。 だって、こいつから必要とされている、そう感じることができるから。 果たしてそうだろうか。 自分は、期待している。 こいつが、誰かの悪口を言うのを。 「いや-。あいつマジキモくね?」 きた。 願った通りの展開だ。 「まぁ。うーん。」 だって、優越感に浸ることができるから。 だって、大嫌いな自分をその間だけは忘れることができるから。 「いやいやいや、あいつもいいところあるんだよ。」 思ってもないことを、口にした。 また演じている。「いい人」を。 そして、自分の居場所を確認する。 だって、自分は何もしていない。 だって、悪口を言うやつも、言われたやつも、最低だろう。 ふっ。思わず笑みがこぼれた。 だって、自分が一番最低だろう。 だって、一番汚い。
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