2.藤木アリサ

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 「じゃあさ、こうしよう。最初は友達からということで……」  「ごめんなさい。今日はあまり体調が良くないの。本当にごめんなさい……」  アリサは少し上目遣いを見せて両手で自らの腹部を押さえながら、わざと長谷川の言葉を途中で打ち切った。そしてそのまま逃げるようにして屋上を後にした。  (頼むから諦めてくれ……)  アリサは急ぎ足で自分の教室に向かいながら、強くそう願ったのだった。
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