1.プロローグ

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 スペース・シップは先端をやや上向きに角度を調整しながら大気圏への突入準備に入る。船体が炎に包まれ始めた。  慎重に船体のバランスを保ちながら少しずつ船を地表へと降下させる。降下による衝撃で船体は激しく振動している。しかし問題はない。順調に船はゆっくりと降下しつつある。  しばらく降下を続けていると、ようやくスペース・シップは大気圏を脱した。追っ手から逃れ何とか命を繋ぎ止めることはできた。思わず安堵する。  しかし安心したのも束の間、船体後部のスラスターのエンジンが突然火を噴き黒煙を上げ始めた。エンジン停止、操縦制御不能。必死に船体のバランスを整えようと試みるも、あえなく船は失速。  そのままスペース・シップは惑星の引力に引き寄せられてしまっている。徐々に地表との距離は縮まっていく。絶望の中、船は炎と黒煙を上げながら惑星へと墜落して行った。
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