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赤煉瓦で建てられた校舎が連なる柊高等学園。
いつものように自分のクラスの二年五組の教室へと向かう。そして窓際の後ろから二番目の席に着く。アリサは肩に下げていたショルダーバッグを机の横側に付いているフックに掛けた。
「おはよう、アリサ」
振り向くと、田所アミと木戸エリカが立っていた。二人ともアリサが学校で仲良くしているクラスメイトたちだ。
声をかけてきたのは田所アミ。彼女はとても人懐っこく気さくな性格で、会話が途切れないようにいつも自然に話を振ってくれる。アリサにとってはとても話しやすい女の子である。
彼女は毛先が緩くウェーブのかかった明るい栗色の長い髪がとても似合っている。今日は後ろに束ねてポニーテールに決めてきたようだ。
そしていつも制服を自分なりにアレンジしておしゃれに着こなしている。メイクも慣れた感じで上手に肌に馴染んでいる。
「おはよう、アリサ」
続いて木戸エリカ。 彼女は少し内気でとにかくスイーツが大好きな女の子である。そんなスイーツ好きが影響してなのか、彼女は少々ふくよかな体系をしている。
三人には特にこれと言った共通する趣味みたいな物は無いのだが、入学式から間もなくして行われた二泊三日の宿泊研修で、同じ部屋になったのがキッカケで仲良くなったのだった。
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