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「おはよう」
アリサは二人に返した。そして「パンツ見えそう」とアミの短いスカートを指さすと、「うるさい」とアミはムッとした顔で突っ返してきた。
「いよいよ今日からだよねえ。濃厚トロトロショコラ……」
突然エリカが満面の笑みで話を切り出してきた。
学校の最寄りの駅近くにあるカフェ「ウィ・セラヴィ」の、今日から始まる新メニューの話だ。
エリカは数日前からことあるごとにこの話をする。よほど楽しみなのだろう。
「アンタも好きだねえ」とアミが茶化すとエリカは顔を少し赤らめてはにかんだ。
「この間服買ったから財政的にちょっと厳しいけど、今日の放課後行っとくか。エリカがうるさいし」とアリサがアミの顔を見ると、「うん、そうだね」とアミは面倒臭そうに答えた。
そんなアミを横目に、エリカは子供みたいにはしゃぎ始めた。
「あの、藤木、さん……おはよう……」
突然、一人の男子生徒が申し訳なさそうにアリサに話しかけてきた。
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