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彼の名は織田ノブナガ。同じクラスの男子生徒である。かの有名な大それた戦国武将と同じ名前なのにも関わらず、小柄で牛乳瓶のような眼鏡を掛けており、とても貧相な見た目をしている。
ベージュのブレザーとグリーンのネクタイ、そしてグレイのスラックスの制服。せっかくの素敵な制服なのに、彼には全然似合ってない。そして服に着せられてる感が半端ない。
只々、学年一位という勉強だけが取り柄の俗に言うガリ勉の男子生徒である。
そんな織田ノブナガにはあだ名がある。眼鏡を掛けていることから、単純な表現でメガネ君とクラスでは呼ばれている。アリサにしてみれば、彼はこの学校内では話す価値のない存在の人間の一人である。
アリサはとりあえず気づいていないフリをして織田ノブナガを無視した。すると彼は悲しげな表情を浮かべながらアリサの元を去って行った。
自分の席に戻って行く彼の背中がとても寂しそうに見えるが気にすることはない。アリサはそのまま二人との会話を楽しんだ。
そしてしばらく三人で雑談を楽しんでいると、始業のチャイムが鳴り一時限目の授業が始まった。
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