1.プロローグ

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1.プロローグ

 漆黒が支配する広大な宇宙空間。数多の隕石群の中をためらいなく突き進む一艘のスペース・シップ。  後方からは容赦なく牙を剥いてくる無数の銃弾の雨。全身黒尽くめで黒光りのマスクを被った不気味なアペプ・クローンの軍団。  アペプ・クローン。元老院裏派閥(げんろういんうらはばつ)の総帥アポフィス(きょう)の遺伝子を培養し製造された二足歩行の量産型クローン・ソルジャー。それを率いているのはオーク・パンツァー。  オーク・パンツァーは通称。正式名称コンポジット・オブ・ライフ・アンド・アーマード・システム。コードネームはゼロワン。奴隷民族オークの身体をテクノロジーにより改良した半分機械の生体兵器。元老院管轄の研究所で開発された最新鋭の汎用型戦闘兵器の試作機。  船の後方をモニターで確認。オーク・パンツァーが左腕に内蔵されたキャノン砲をこちらに向けて構えている。     全身を覆う灰色の迷彩模様の装甲。そして頭部には丸い水槽のような生命維持装置の中から覗かせる凶暴な(しし)の顔。背筋も凍る戦慄。
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