ある夜

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初めてのデートで連れてこられた赤レンガ倉庫のダイニングバーは、大音量でクラブミュージックが流れていた。案内された席は大きなスピーカーの近くで、重低音の振動が鼓膜だけでなく心臓や下腹部を震わせ、全身が軽く痺れてくる。 塩鶏の香草焼きとサワークリームオニオンを食べたところで、ここにいる事に疲れてしまった。 右手を彼の太ももに添えて、耳元に口を近づける。 「ねぇ、少し静かなところに行きたい」
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