アンドル

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 そのまま、通り過ぎた。  女性の背中が徐々に遠ざかり公園を出て行く。香水の香りだけが男の鼻腔に留まった。  再び無人となった公園に男の歌声が虚しく舞う。やりきれない思いから、ギターの音色は荒々しいものへと変わっていった。 ――昔は……昔はこんなことなかったのに……!
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