愛理 1

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愛理 1

「咲宮さん、これ無理でしょ」 早瀬社長の無理難題の仕様書を持ち、デジタルアート部門のチームDの所へ行ったわたし。 早瀬社長の細かい指示はあっても、それをテクノロジーの技術を駆使して成し遂げるのはかなり細かい所を埋めていかないといけなくて、悪魔からの挑戦状のような感じでプロジェクトチームを苦しめる。 その執行を言い渡すのがわたしで、いつもの事ながら辛い。 「しかも、ある程度の装置ができたら、現地入りか…。北海道、雪まつりか。寒いな…」 悪魔からの挑戦状に顔を引きつらせたチームDのリーダーは、わたしの大学時代の先輩。 早瀬社長よりも3歳年上で、堀田教授の口添えで引き抜きでこの会社に転職してきて貰った。 かなり高度な技術を使いこなせる。 だから、このチームに早瀬社長は難題を押し付けてくる。 「林田さん、また豪華な宿泊先を用意するので、今回もよろしくお願いします」 「仕事だから仕方がないよ。よし、みんな、集まれ、ミーティングするぞ!!」 林田篤リーダーのデジタルアートのチームDは不満をわたしにそこまでぶつけてこないから助かる。 悪魔からの仕様書を手に持ち、わたしは、パーテーションで区切られた別のプロジェクトチームの元へ行く。
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