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お姫様はモノを捨てられない
「はぁ……」
どうしましょう。一向に黒字になりません。
今まで商品を手にとっても、数多ある商品に目移りして悩み、結局購入を保留。その後、他店で買い物をしてしまうという悪循環を脱却すべく、品数を大幅に減らしました。
そのおかげで、来店してくださったお客様が商品を買って下さるようになりました。
この大胆な決断は「経済学」なる学問に倣って行った改革で、それを齎したのはヨイチさん。
ニホンなる異国の方で、絵描きになるお勉強をなさっているのだとか。
彼は「これは天災みたいなものだから公欠になるよな? ならなくても大学いけないから、しばらくここに置いてくれない? バイト扱いでいいから」とセルシアには理解できない単語を並べて話した。
取り敢えず、しばらく住む場所を提供してもらいたいとのことだった。その対価としてお店で働くと言う。
経済学なる学問の書かれた指南書はニホン語で記されており、セルシアはニホン語の読み書きができない。
だから彼が滞在してくれるというのはとても助かるのです。
そしてさっそく問題が生じているのです。
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