プロローグ 扉の先には

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プロローグ 扉の先には

 徹夜続きの一週間。  カーテンの隙間から射し込む朝日によって起こされる。  目を擦りながら重たい瞼を開くと目の前にはパソコンの画面。  画面上のWordには、支離滅裂――意味不明な文章が打ち込まれていた。  文章と呼べるのか疑わしいそれは、無意識下の中打ち込まれたものなのだろう。  先程まで突っ伏していた場所にはキーボード。そのすぐそばには冷めたコーヒー。  どうやら寝落ちしてしまったらしい。  さすがに一日二時間の睡眠では身体が持たなかった。  それでも六日は凌いだ。さすがに七日目にダウンしたのだが。  目覚めのモーニングコーヒーを啜る。  酸味が強いのは豆本来の味か? それとも一日経っているからか?  まあ、どちらでも構わない。元々コーヒーの味なんか分かりゃしないのだから。  そもそもインスタントコーヒーだから豆本来の味という選択肢は存在していない。  一気にコーヒーを流し込む。  苦味と酸味が絶妙にマッチしない。絶妙に不味いコーヒによって意識は完全に覚醒する。  それと同時に腸内活動も活発になる。その働きは優秀で、すぐさま腸内の異常を感知する。  ぎゅるるるるぅ、と警報を鳴らす。 「あっ、漏れる」     
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