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 平家塚を壊そうとしたエピソードは、その後も、ずっと俺につきまとうことになった。  中学を卒業する時にも級友達からイジられ、本島の高校に通って卒業する時にもからかわれ、そして社会人になった後にも、ことある毎に話題にされた。 「やっぱり、また平家塚に行くのか?」 「当たり前じゃない。ちゃんと御礼を言わないと」  妻が、生まれたばかりの俺の子を抱いて微笑む。  確かに。お陰で元気な男の子を授かることができた。  「あの時に塚を壊さなくてよかったね」  いたずらっぽく、からかう口調で妻――元”糀谷さん”が言った。  出生時の体重は3500グラム以上で、体格は大きな方だ。これなら身長も期待できるだろう。  どうやら、平家の”呪い”は解けたようだ。
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