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「それにしても、大学に入って半年で、5人も彼女できてるの、すごいと思うけど。かっこいいもんね、竜ちゃん」
…いや、作った端から盗られてるんで、全然付き合えてる気がしないんですけど。
そういうりょーちんも、いっつも女の子に、可愛い可愛い言われて、けっこうモテてんだよな。天然パーマのふわふわな髪に、童顔で。
背も低くて、いつも上目遣いなとことか、母性本能くすぐるっていうのかね。
「瀬戸くん、だっけ?あの人も、竜ちゃんと違う意味でかっこいいよね。竜ちゃんは、背も高いしスポーツ刈りでガタイもいい、ワイルド系なんだよね。
で、瀬戸くんは、ちょっとチャラい感じでさ。顔も整ってるしお洒落だし、なんかモテるのも分かるなぁ」
「…頼むから、あいつを褒めないでくれ…」
学食の机に突っ伏したオレに笑いかけて、りょーちんはそういえば、と紙袋を机の上に置く。
「竜ちゃんが読みたいって言ってた、ほら、野球のやつ。コミックス5巻まで持ってきたからさ、良かったら読んで」
「ありがと、りょーちん!大好きだっ!」
オレはりょーちんの右手を両手で握りしめる。持つべきものは、やっぱ友だちだなっ!
…学食の入り口で、瀬戸がその様子を見ていたことに、その時の俺は気づいていなかった。
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