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「そんなわけで、僕、今日から竜ちゃんの愛人だから。もちろん、本命の座を狙ってるんで。よろしくね、瀬・戸・く・ん」
「ああぁん!?」
オレの右腕に両腕を絡め、身体を密着させながら、笑顔で高らかに宣言するりょーちん。
明らかにブチキレてる瀬戸。
…二人とも、怖え…怖えよぉ。オレ、どうすりゃいいの?
瀬戸が睨んでるのも気にせず、りょーちんは続ける。
「瀬戸 翔真くん。高校、僕らと同じだよね。ずいぶん変わったねー。大学デビューってやつ?」
「え?そうなの!?」
いや、出身高校、となりの県だから、おかしくはないけど、…こんなやついたっけ?
瀬戸も一瞬驚いた顔をした後、りょーちんを睨み、低い声で言う。
「…なあ、亮平、とかいったか?
おまえ、竜司が騙されてんの、黙ってみてたんだろ。本当に竜司の友達なのかよ」
「僕は竜ちゃんの自由恋愛を邪魔したりはしないよ。それに、竜ちゃんは僕のオモチャだからね」
「…それが本音か」
睨みながら言う瀬戸。それでも笑顔を崩さない、りょーちん。
「なんとでも言えば。とにかく、僕の方が竜ちゃんの扱いはうまいはずだよ。少なくとも瀬戸くん、君よりかはね。
ねえ、今まで竜ちゃんが付き合ってきた女たちみたいに、僕も寝取ってみる?…できるもんならね」
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