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「あった。」
私はそのアルバムを、手元に持って来た。
「この女の子達よ。夢の中に出て来たのは。」
驚く私に、愛斗君は写真の中の人物を指さした。
「これ、おばあちゃん。これが親父。そしてこれが……」
少し躊躇った愛斗君。
「……親父の前の奥さん。」
「えっ……」
おじさんの前の奥さん?
そんな話、聞いた事がない。
「この写真を見ると、双子の女の子達は、前の奥さんとの子供だったみたいだね。名前も書いてある一人はこより。もう一人はさより。」
途端に、双子の女の子達がリアルに感じた。
「あれ?お兄ちゃん、お客さん?」
誰かに話しかけられ、振り向いた。
「なんだ。姫乃か。こいつ、俺の妹。」
「はじめまして。」
一応挨拶をする。
「何を見てるの?」
「ああ、これだよ。」
愛斗君は躊躇いもなく、姫乃ちゃんに写真を見せた。
「ああ、この双子。おばあちゃんが言っていた。”羽になった”って。」
「羽?」
私と愛斗君は、顔を見合わせた。
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