第3章 子返し

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私の家に着いたのは、夕方過ぎだった。 「お母さん。」 「はいはい。お帰りな……」 お母さんは玄関で愛斗君を見て、大きな目を開けて驚いていた。 「お久しぶりです。おばさん。」 「……お久しぶりね、愛斗君。」 そして彼に、さあ上がってと言ったのは、私の方だった。 お母さんは茫然と、玄関を見ていて。 まるで私達の姿が見えないかのように、振舞った。 何かあると思った。 愛斗君が、この家に訪問するという事が、何かの秘密を解く鍵になっていると。 私は愛斗君を、リビングに通した。 「ここに座って。」 愛斗君が座ると、急にお母さんがぬっと現れ、引き寄せられるかのように、私達の横に座った。 「早速なんですが、この写真を覚えていますか?」 愛斗君は、アルバムから取り出した写真を、お母さんに見せた。
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