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「はっ!」
またあの夢を見て、起き上がった。
首元にはじわりと、汗が滲んでいる。
「また、あの夢……」
髪の長い双子の女の子が、不気味に笑う夢。
一体、あの子達は何なんだろう。
でもあの大きな階段は、何だか懐かしくて、昔そこにいたような気がした。
私は制服に着替えると、部屋を出て階段を降りた。
テーブルにはもう、母が作った朝食が置いてあった。
「ねえ、お母さん。この辺りに、黒い大きな階段がある家ってある?」
すると母は、渋い顔をして手を止めた。
「その階段が、どうしたの?」
「いや、夢に出て来たから。」
すると母は、ほっとしたかのように、『夢だったら、忘れなさい。』と言った。
母は何かを隠している?
でも、本当に夢なのだから、それ以上は聞けなかった。
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