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翌日。
私が学校から帰ると、家の前に愛斗君が立っていた。
「愛斗君。」
「迎えに来た。」
なんだか恋人同士みたいで、くすぐったい。
「今すぐ着替えてくるね。」
「うん。」
家の中に入って、部屋に飛び込み、着替えるとまた部屋を飛び出た。
階段を駆け下りて、愛斗君のいる家の前に、急いだ。
「文香?どこに行くの?」
母親の声が聞こえた。
「愛斗君の家!」
そう言って、玄関を閉めた。
「お待たせ。」
はぁはぁと息が切れている私に、”ゆっくり歩こう”と、愛斗君は言ってくれた。
駅まで10分。
愛斗君の話したのは、昨日の夜眠れた?と言うもの。
眠れたと答えた私に、またあの夢を見たのかと聞かれた。
「昨日は、見なかった。」
久しぶりに、あの双子の夢を見なかった。
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