第4章 手毬

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「うーん。」 愛斗君は、また唸っている。 「それも何か意味があるのかな。」 「夢を見なかった事に?」 「うん。」 愛斗君と電車に乗って、彼の住んでいる街に着いた。 そして愛斗君は、家に帰る途中で、こんな事を言い始めた。 「もしかして、今日会えるから、夢に出て来なかったのかな。」 「えっ……」 背中がぞっとして、体がブルッと震えた。 今日、あの双子に会う? 不気味に笑うあの双子が、思い出される。 息をゴクンと飲みこんだ。 そうしているうちに、愛斗君の家に着いた。 「ただいま。」 「おかえり、お兄ちゃん。」 玄関では姫乃ちゃんが、待ち構えていた。 「私も行くよ。階段の上の、一番奥の部屋に。」 どうやら、昨日の夜。 姫乃ちゃんは、事の次第を愛斗君から聞いたらしい。
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