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「うーん。」
愛斗君は、また唸っている。
「それも何か意味があるのかな。」
「夢を見なかった事に?」
「うん。」
愛斗君と電車に乗って、彼の住んでいる街に着いた。
そして愛斗君は、家に帰る途中で、こんな事を言い始めた。
「もしかして、今日会えるから、夢に出て来なかったのかな。」
「えっ……」
背中がぞっとして、体がブルッと震えた。
今日、あの双子に会う?
不気味に笑うあの双子が、思い出される。
息をゴクンと飲みこんだ。
そうしているうちに、愛斗君の家に着いた。
「ただいま。」
「おかえり、お兄ちゃん。」
玄関では姫乃ちゃんが、待ち構えていた。
「私も行くよ。階段の上の、一番奥の部屋に。」
どうやら、昨日の夜。
姫乃ちゃんは、事の次第を愛斗君から聞いたらしい。
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