第4章 手毬

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それは私も一緒だった。 なんてファンタジックな空間なのだろう。 そして私は、一番奥の部屋から、明かりが漏れているのを、発見した。 「ねえ、あそこ。一番奥の部屋。明かりが付いている。」 「行ってみよう。」 「うん。」 三人で足音を立てないように、一番奥の部屋に近づいて見ると、戸が少し開いていた。 その中を、そーっと見て見ると…… 双子の姉妹が、手毬で遊んでいた。 少女の姿のままで。 なんだろう。 どうしてこんなに、懐かしいんだろう。 私の目から、一筋の涙が零れた。 「会えた……双子の姉妹に……」 愛斗君がそう言った時だ。 戸が、スーッと音を立てずに、開いたのだ。 そして双子の姉妹が、こっちを見る。 『誰?』 息をゴクンと飲んだ。 もしかして、来てはダメだった?
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