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「今日はどうしたの?急に。」
にこにこしているけれど、私達の仲を疑っているようだ。
「街でばったり愛斗君に会いまして。昔の話を懐かしく話していらら、愛斗君から久しぶりにウチに来たらと、誘われまして。」
「あらあら。」
おばさんは、ちらっと愛斗君を見た。
「どうして隣町に行ってたのかしら。」
「参考書を買いにだよ。それだけ。」
愛斗君は靴を脱ぐと、私に”入って”と言った。
おばさんに挨拶しながら、私も廊下に上がると、愛斗君が奥を指さした。
うんと頷き、愛斗君の後を追う。
「この奥なんだ。」
「へえ。」
そして見えてきた階段。
何もかも、夢の中に出てきた階段と一緒だった。
黒光りしていて、幅もある。
一瞬、息が止まってずっとこの階段を、見ていてしまった。
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