第3章 子返し

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第3章 子返し

「なんだ?その羽になるって。」 「分かんない。ただこよりちゃんは羽になったって、おばあちゃんが言ってたよ。」 そう言って姫乃ちゃんは、部屋を出て行ってしまった。 「愛斗君。」 「ああ、たぶん。俺達の知らない秘密が、この双子の姉妹にはあるんだよ。」 愛斗君はアルバムから、双子の姉妹が映っている写真を取り出した。 「どうするの?その写真。」 「文香のお母さんに、聞いてみる。」 「ウチのお母さんに?」 愛斗君は立ち上がって、私にも立ち上がる事を急かした。 「文香のお母さんは、俺のお父さんの妹だろ?だから、この家の事も、何かしら知ってると思うんだ。」 愛斗君は、”行こう”と手を回した。 「だとしたら、愛斗君のお母さんに聞いた方が、早いんじゃない?」
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