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第2章 羽になる
愛斗君の家は、隣町にあった。
電車で一駅。
愛斗君と一緒に、電車に揺られ、駅から10分程の道を二人で歩いた。
「ご両親は、いるの?」
「母親はいると思う。」
愛斗君の口から、”母親”という単語が飛び出してくるなんて、ちょっと驚きだ。
私の記憶にある愛斗君は、”ママ”と呼んでいたから。
「ここだよ。」
愛斗君は、自宅の家の玄関を開けてくれた。
昔懐かしい、古風な家で。
まるで庄屋の家みたいだ。
「ただいま。」
「お邪魔します。」
女の子の声がしたのか、慌てて愛斗君のお母さんが、玄関に走って来た。
「まあ!文香ちゃん!?」
「はい。お久しぶりです。」
「こんなに大きくなって!」
小さい時にあったきりだから、おばさんも喜んでくれた。
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