第2章 羽になる

1/6
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ

第2章 羽になる

愛斗君の家は、隣町にあった。 電車で一駅。 愛斗君と一緒に、電車に揺られ、駅から10分程の道を二人で歩いた。 「ご両親は、いるの?」 「母親はいると思う。」 愛斗君の口から、”母親”という単語が飛び出してくるなんて、ちょっと驚きだ。 私の記憶にある愛斗君は、”ママ”と呼んでいたから。 「ここだよ。」 愛斗君は、自宅の家の玄関を開けてくれた。 昔懐かしい、古風な家で。 まるで庄屋の家みたいだ。 「ただいま。」 「お邪魔します。」 女の子の声がしたのか、慌てて愛斗君のお母さんが、玄関に走って来た。 「まあ!文香ちゃん!?」 「はい。お久しぶりです。」 「こんなに大きくなって!」 小さい時にあったきりだから、おばさんも喜んでくれた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!