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シャイガール
中学一年生の私はとてつもないシャイガールだった。
絶対に自分から男子に話しかけることが出来なかった。
でも、恋はしていて、右隣の席の男の子を好きになった。
バレンタインデーにはこっそりとチョコレートを彼の机の中に忍ばせた。
好きですと書いたカードはつけたけれど差出人の名前は書かなかった。
6つの小さなチョコレートは、ひとつだけハート形で作った。
でも、それがわからないように猫のイラストのついたビニールの包装で隠すように包んだ。
好きだという気持ちを伝えたいのか、どうしたいのかよくわからないチョコレートにお返しはなかった。
もらった彼は返事をするにしても出来なかっただろうし、そもそもそんな不思議なプレゼントを喜ぶ人などいない事は今でこそわかる。
きっと恥ずかしかったのだ、彼を好きだという自分が。
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