0人が本棚に入れています
本棚に追加
「まだ苦手なの?」
「慣れないよー。ねえ、今からでも私、普通のチョコ用意しちゃ駄目かなあ」
「毎年恒例になってるのに? 今更?」
「だよねー」
床に置いたスマートフォンを横目でちらり。画面はもう真っ黒になってしまっているけれど、さっきまでファンのみんなが描いてくれたコメントがそこにあった。
『そろそろバレンタインだね! ルナちゃん楽しみでしょ? 俺も楽しみ!』
『今年は歌乃ちゃん、どんなチョコくれるのかな? いつもすごく綺麗なものくれるよね、ルナちゃんってば愛されてるー!』
『ルナうたの季節ー!』
『毎年ルナうたが尊すぎて死にそうになる……』
……一部、ちょっと意味がわからないコメントがあるけれど、そういうコメントがずらずらと。……ファン、なんでか知らないけど、私たちのバレンタインをとんでもなく楽しみにしているのだ。
「なんだってこんなことになっちゃったんだっけ」
「ルナのせい」
「ああ、そう、そうだけどさー」
最初のコメントを投稿しよう!