船の上で

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「ふううううううんよく寝た~」 アリアドス国北東、ルスティグに到着する。 ここはアリアドス第二の都市、グランクビスト州に属する港町だ。 「うわーすっごい、車めっちゃ走ってる」 車はつい15年ほど前に実用化し、その5年後に一般に普及されるようになった。 この国で発明されたものだ。 (とはいってもこっちの世界ほどの高性能のものではなく、時速最速80km程度のものだ) サラの育った国、エスクラペスではまだまだ珍しい乗り物だった。 レスレクシオン島へ向かう船に乗り込み、船が発進すると甲板で海の風を感じていた。 冷気を帯びた潮風が彼女の首元ほどまである黒髪をなびかせた。 「うぅ・・・寒くなってきた・・・」 上着を重ね着る。 現在は春、サラの国エスクラペスはポカポカ陽気だ。 対してレスレクシオンは北に位置する島。 まだまだ低気圧が発達している。
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